用語集
リハビリテーション
リハビリテーションは理念として、「全人間的復権」と定義づけられます。人間として持っているすべての権利を取り戻す、様々な取り組みがリハビリテーションです。
人がその個性を最大限に発揮して、活躍することがすべての人に認められている「権利」だという考え方に基づきます。
この権利は、様々な理由からしばしば阻害され、失われてしまいます。
例えば病気や怪我など身体や精神に生じる不具合、対人関係の悩み、組織の中での不適応。
リハビリテーションは治療をはじめとする、いろいろな方法によって達成されます。その方法をリハビリテーションサービスと言います。身体や精神の病気からの回復を目指す治療援助技術であり、人と円滑にコミュニケーションをとり、社会に適応していけるような練習を指導、助言することであり、道具を活用したり環境を調整して、その人が望む豊かな楽しい暮らしをお手伝いする、すべての方法です。
産業リハビリテーション
リハビリテーションの目的のひとつに、働けるように、働き続けられるように、というものがあります。
「働く」は「端楽」につながる。私たちは、他者(端)を楽にして、楽しませ、幸せのお手伝いをすることが働くことの基本と考えます。自営業労働、雇用就労といった生計維持のための活動はもちろん、家事や学業やボランティア活動のような他者と自らのための活動も「端楽」です。「端楽」は生活の他のどの場面よりもその人の生きがい、幸せに強く影響を与えるのではないでしょうか。
労働が人生に与える影響が大きいがゆえに、身体的、精神的な苦痛や疲労が伴うことも多く、また事故や災害といった問題に遭遇するリスクも大きいようです。
産業リハビリテーションは、そういったリスクを扱う分野です。リハビリテーションサービスの中でも新しい考え方、方法となります。
労働の現場、産業の現場で、病気や怪我からの回復はもちろん、心身の健康を維持し、病気や怪我を予防するために、今までリハビリテーション医学が培ってきた多くの知恵や方法を提供します。